Cucina Abitabile 〜キッチンに住む〜

クチーナ アビタビレ。それは居住可能なキッチンの意。

リノベーションを前提としたマンション探し

マンション探しについて。

 

勿論、普通に探せばいいのですが、数年前のリノベーションブームと新築物件価格高騰のあおりを受けて、今中古物件の多くが売主もしくは不動産会社が既にリノベーションを施したうえで売りに出ているケースが多く、そういう物件は新たなリノベーションは、ほぼできないと考えます。勿論、物理的には全然できますが、勿体ないですし価格も倍かかってしまいますので。。。。

 

なので、探す場合は、とにかく何も手をつけていない物件になると思います。
インターネットの情報サイトには、リフォームをしている場合はその日付が大体記入されていますので確認してみてください。

もし何も書いておらず、家の中の写真が掲載されていない場合は、あまり見せたくない、ということでリフォームされていない場合が多いです。
築年数とリノベーション(リフォーム)の日付で大体の部屋の状況は把握できると思います。但し、冒頭に申し上げた通り、最近は不動産屋が先に購入して全面リフォームして販売するケースが増えてきてます。


なぜなら、不動産屋にとって大きな利益につながるからです。通常は両手でも3%の売買手数料しか得られないですが、我々が調べている限り、2000万円~5000万円台の価格帯のリノベ済み物件は、程度の差がありますが約1000万円程度、物件価格く売りに出されており、その価格の上乗せはリノベ費用とみて間違いありません。


すなわち、不動産会社はリノベを安くすませれば、それだけ利幅が大きくなります。
リノベを多く扱う業者であれば部材等を一般化させることにより、約50平米で約700万以下でスケルトンからリノベができてしまいます。(その質は想像できてしまいますが。。。)


なぜこの話をしたかというと、もし希望のマンションにリノベをしている家があった場合、その額から約1000万程度引いた額が、リノベ前の適正もしくは底値価格の可能性があるからです。不動産会社は、相場についてはプロですので、高すぎる金額で購入する事はなく、最低金額に近い金額で物件購入し、見た目が立派な新品に整えたリノベーション物件として売りにだします。

 

勿論ケースバイケースですし、値引要求を見越して1000万よりも価格を上げて載せている場合もありますが、一つの指標にはなると思います。
さて、もし希望のリノベ前物件を見つけられて、内見となった場合に、ここだけは見ておいた方がいい、というのを感じましたので、列挙しました。

 

1. マンションの構造の確認(ラーメン構造なのか耐力壁が存在するか?)
ラーメン構造は、ドイツ語のラーメンドイツ語で額縁の意味である「Rahmen」からき
ていて、マンションの構造が柱と梁で構成されており、マンション全体の設計の自由
度が取れる、近年のマンションの一般的構造とのこと(by Wikipedia)。
この場合、躯体はマンションの壁と床(天井)のみになるので、スケルトンの際にほ

ぼ全部取り払うことができます。


一方で耐力壁とは、その耐力壁自体が、マンションの強度の一部を担っており、建築
物において重要な役割を持っています。
言い換えれば、耐力壁がある場合は、その壁は躯体の一部となりリノベーション時に
壊すことはできません。
しかし、厄介なことに、古いマンションには、ラーメン構造にも関わらずブロックと
モルタルが多用されているケースがあります。
もしラーメン構造の場合、通例でいけば、ブロックもモルタルも、マンション強度の
計算外なので、取り壊す事ができます。

(ラーメンと耐力壁の詳細は、ここをご参照ください。https://www.homify.jp/ideabooks/5672102/%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%83%A1%E3%83%B3%E6%A7%8B%E9%80%A0%E3%80%81%E5%A3%81%E5%BC%8F%E6%A7%8B%E9%80%A0%E3%81%A8%E3%81%AF%EF%BC%9F%E3%81%9D%E3%82%8C%E3%81%9E%E3%82%8C%E3%81%AE%E7%89%B9%E5%BE%B4%E3%81%A8%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%BB%E3%83%87%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%83%83%E3%83%88)

 


しかし、両方ともものすごく硬いので、耐力壁や床の躯体と区別する事が難しい
そうなると、この壁が躯体の一部なのか、ブロックを利用した壁なのかわからないの
でスケルトン状態をイメージできず、家を購入して実際に壊すまで全くレイアウトの
イメージができないことになってしまいます。
そこで、まず大前提になるのが、耐力壁の場合は、どちらかというと小規模なマンシ
ョンに使用されるケースが多いので全戸数100戸以上などの大型マンションなのか10戸
程度の小規模マンションなのか、で大体のあたりをつけてみましょう。
其のあと、内見時に中規模~大規模マンションにも関わらず部屋の真ん中に使用され
ている壁がどうみても木でない場合は、ブロック塀の可能性があります。

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↑これはうちです。

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油圧式のクラッシャーを使うことで多少音が軽減されますが予算はかかります。

うちはここでも内装以外に結構かけてしまいました。

 

玄関からベランダ側を見たブロック。
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↑ベランダから玄関をみて取り払ったブロック。

 

その場合は、壁外側の躯体とその壁を実際にちょっと強めに叩いてみてください。
かなり微妙ですが手にあたる感触と音が違うのがわかると思います。
*躯体を叩く時は、微妙にお気を付け下さい!お隣さまがおりますので、あまり強く
たたくとクレームくるかもしれません
叩いた時に躯体側と比較して少し軽い音または乾いた音がするようであればブロック
の可能性がありますので、壊せる可能性があります。

床のモルタルは、床を剥がしてみるまで判別が難しいです。但し、古いマンションは
配管をこのモルタルに埋め込むタイプがあるので、その場合は、こちらも原則ですが
躯体でない場合があり剥がせる可能性があります。
いずれにしても、どちらもマンションの工事規約にかかわってくる可能性があります
ので必ず不動産会社を経由して確認する事をお薦めします。


2. トイレ、お風呂等、水回りの位置確認
ケルトンにする場合、勿論トイレもお風呂も取り払います。ただ、じゃぁ、なんで
も好きなところに配置できるのか、となると、これはこれで実は微妙です。
というのも、排水管の位置によっては、設置場所に制限もしくはその他別の部分の妥
協が必要になる可能性があるからです。
集合住宅の場合、一般的には排水管は複数箇所から一か所に集まって太い配管で共同
の排水管に流します。その際、排水が綺麗に流れるように勾配(上から下に流す為)
を取るのですが、当初設計された場所から大きく距離が離れると、その分勾配を大き
く取らないといけなくなる為、設計が難しくなる、という点と床が大きく上がってし

まう可能性があります。


古いマンションはただでさえ、天井が低いケースが多いので、もし床を上げてしまう
とリノベ後の部屋が圧迫感のある状態になりかねません。
もし、不動産会社が行ったリノベ後の古いマンションを内見する機会があれば、是非
サッシを確認してみてください。サッシの一番下の部分が床よりも下にあるケースが
あります。

 

手書きですが、こんな感じ。

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その場合は、床を現状より上げる必要があった、という事ですので、その同じマンションを購入する場合は、同じ状態になる可能性がある、ということです。
我々の場合も、同じマンション内の他のリノベ後物件を内見した時に、やはり床があ
ったが状態でしたが、ぎりぎりサッシと面を合わせてもらうように、リノベ会社にお
願いしました。物理的に不可能な場合は別として、ギリギリのラインの場合は完全に
リノベ会社の実力に依ってきます。そういう意味ではリノベ会社の選択は非常に重要
になります。
特にトイレは排水量も多く、割と制約が多いため、あまり動かせないと考えていた方
が無難です。


3. スラブ厚さの確認
リノベをする場合は古いマンションが多いとおもいます。古いマンションは外観に味
があったり、レトロな雰囲気があったりで、魅力的な物件が多くある半面、マンショ
ン技術自体は、現代の物件から遠く離れていたりします。その大きな一つがスラブの
厚みです。
現代のマンションは、20cm以上の厚みがあるものも多く出ておりますが、残念ながら
昔のマンションは厚みが10㎝程度の物もあります。
スラブが薄くなる分やはり音の問題が強くでる可能性もあります。
事実、我々のマンションは、スラブ厚、壁側15㎝、床12㎝しかありません。やはり現
代のマンションに比べると、天井を抜いていることもありますが、音の響きは大きい
ように感じます。


4. 新耐震基準前か後かを確認
81年6月時点での建築確認前、後で、非常に大きな変更があります。
https://www.athome.co.jp/contents/words/term_2510/
(at homeから引用)

地震については、また別途コーナー設けて説明できればと思います。

いずれにしても、新耐震にこした事はないのですが、もちろん若干価格が高めである事があるので、住宅補助との差額なので判断された方が良いと思います。

 

以上、4点は必ず確認しておく点だと思いますので、不動産屋さんに問合せは勿論ですが、ご自身でも意識的に確認してみてください!

 

次は、リノベーション会社について触れたいと思います。